8.252010
ベイトリール&スピニングリール|テクニカルノート
永井誠一が語る
ベイトリール&スピニングリール(必然性が生んだリールの選択)
この何年かの間でジギングタックルの進化は凄まじい物がある。例えばベイトリール。
此処10年程で海のルアーフィシングの中でも「ジギング」と言われるジャンルの釣りに使うベイトリールの進化、進歩には特に目を見張る。
ジギング創世記にはシマノ社カルカッタシリーズ、ABU社の6500番HIスピードタイプや同社7500番~9000番、ダイワ製石鯛リール、PENN製ベイトリール等を使っていた。当時にはまだまだ専用の道具が全く無かったからだ。
今思えば離島遠征でABU6500番を使っていたり奄美大島沖水深230メートルでダイワ製石鯛リール20~30番でジギングしたり。今のタックルからすれば信じがたい道具でいわゆるスパーディープジギングをしていた時代である。しかし当時のほうがヒット率も断然よく捕れるかどうかは別にして魚はメチャクチャ濃かったように記憶している。
やがてロッドがショート化してきてリールに対する負担が急激に増してきた。当時から熱心なアングラー達がメーカーに対して高性能リールの必要性を訴えつづけた。必要な道具は作られていく物で今日のジギングタックルが研究開発されてきたという訳だ。
さて、ベイトリールの話に戻るがこの2年程私は全くベイトタックルを使っていない。実はこの間に釣行するエリアや釣法がかなり絞り込まれてきたから使う道具がスピニングタックルだけになってしまったというのも理由の一つ。スピニングリールも此処まで高性能化してくるとかなり使うアイテムも絞り込めてくる。
しかし本来私はどちらかと言えば「ベイト派」である。水深が深い場合は絶対にベイト有利と思うし、根掛かりの激しいポイントでの確実な底取りにはベイトリールが必要不可欠である。又大型魚がヒットした場合のやり取りもベイトリールのドラッグが上手い具合に魚に対応してくれる様にも思う。
問題は「釣行するエリアによってタックル群をまず選ぶ」事。
基本的にはベイトタックルの方が細かいジグの動きが演出できるし、アングラーの体力的負担も少なくて済む道具である。ただキャスト性能が非常に劣るのでナブラ攻撃や遠投には全くもって不向きな道具立てでもある。
又船長の癖によりピンポイントで魚群を狙い、ラインを真っ直ぐに立てるような操船の場合はベイトタックルがやはり有利な場面が多い。どちらにせよベイトリールかスピニングリールか、右巻きか左巻きかはジガーにとっての永遠のテーマである。
ただ一つ言える事は「使い込まないと道具じゃない!」と言うことだ。道具の癖を知って魚をとにかく沢山釣る事が次のステップアップに確実につながるのである。
永井誠一