8.252010
私流ロングジグについて|テクニカルノート
『私流ロングジグについて』
昨今、ロングジグが大流行であるが、私なりの解釈で話をしたいと思う。
1) 概論
現在。世のショップには沢山のロングジグが販売されているが、大きく三つに分類できると思う。
一つ目は従来型のテールヘビーなタイプである。アピール度はあるのだが、その動きの中でスライド的な要素は少なく、従来の平均的なジグとアクション的には大きな違いは無い。
二つ目は「キラージグ」に代表されるタイプで、重心位置が6:4位のジグである。いわゆる元祖スライド系と言われるもので、引き重りも少なく、スピニングタックルのワンピッチジャークにより、高い効果が得られる。操作方法のキモになる部分は、上へ上への意識だけではなくジャーク1回毎に、ティップを少し下げてやる意識(送り込み動作)でラインスラッグを作り、水中でジグがフリーな動きをするイメージで操作すると良いと思う
(事務局注:同テクニカルノート「スロージャークの可能性」参照)。
私は最近このジグの動きをイメージしながら、リールの巻き方に強弱をつけてアクションさせている。
この場合私はロッドでジグをジャークすることは全く考えていない。他の人が私を見たときにはロッドも動いているように見えるかもしれない。しかし意識はリールワークにだけ注意を払っていて、タイミングを上手に取れば、通常のキラージャークと同じ効果があると思うし、体力的にも楽ちんである。
今となっては笑い話だが、キラージャークと出合った3~4年前。平戸の幸漁丸で丸二日キラージャークでしゃくり倒したあと、福岡へ戻って夕食に全員で乾杯しようとしたら、生ビールの中ジョッキが目線より上に持ち上がらなかった。それ以来少しでも体力的に楽な方法を捜して、現在のスタイルになってきている。
三つ目のタイプは、横方向へスライドするタイプである。キラージグタイプは、斜め上時へのスライドタイプであるが、このタイプは水平方向へスライドしていく。市販のジグでも数種類は販売されているが、ジャークのキモは専用の張りの強いタイプのロッドとハイギアータイプ(ラインリトリーブ大きなリール)の組み合わせで、一瞬で大きくハンドルを回転させて、力を入力してやる方法である。このタイプのジグはまだ一般的では無いが、今後各メーカーから発売される事を私も期待している。
2) タックルセレクト
前章の二つ目。キラージグタイプに絞って説明させて頂くと、キラージグ、キラージャーク等の登場により、私のタックルも変化してきた。
ロッドについてはレギューラテーバーのもので、ティップの追従性の高い物(ジャークしたときに必要以上にジグがアクションしないこと)が良いと思う。
しかし平戸あたりでは、昨今20kgをオー場するヒラマサがキャッチされていて、当然のことだがバットパワーが要求される。
リールについては、ステラSW20000PGを使用している。私的なアイデアで行っていることは、スプールを変えて糸巻き量を変化させる事である。20000用と付属の16000又は10000用の
スプールでは、当然ハンドル1回転の糸巻き量は違ってくる。水温や魚の活性に会わせて、いろいろと組み合わせを変えてやることも手軽に出来るチューン方法である。ラインについてはそのエリアの水深やボトムの様子により考えるべきだと思う。ヒラマサについて言えば、平戸であればPE8号以上対馬ならばPE6号以上だと思う。ドラグを出しても根ズレの可能性が低ければ細いラインが使用できる。
(当然魚のサイズを想定して考える。アベレージではなく最大魚を念頭にする)もっと東の日本海側ならばPE3~5号を場所によって使用する。
なるべくなら掛けた魚をラインブレークや根ズレが口に針を付けたままにしないで、ちゃんとキャッチしてやって欲しい。
3)お願い事項
年々魚の数が少なくなってきています。春のヒラマサなどは、数釣りが楽しめて皆さんも出掛けていくと思いますが、自分が必要とする以外は成るべくなら優しくリリースしてやって下さい。私も2~3Kg位の小型はリリースを心がけています。ただし、リリースする場所は船長に確認してポイントを外れた所で行って下さい。折角の良いポイントの魚が散ってしまうからです。「生きて海に戻れば1年後には10kgオーバー」に成長したヒラマサに出会えるかも知れません皆さんご協力お願いします。
浅井陶太