8.252010
ハイスピードジャーク|テクニカルノート
ジギングにおけるジャーク方法は千差万別あり、各個人でも独自のアピール方法で魚にアピールしていると思います。
ハイスピードジャークもこう言ったアピール方法の1つであり、ジギングと言う釣りのスタイルではロングジャークメソッドと同じくジギング最古にして単純明快、でもすさまじい釣果を生む有効なジャーク方法です。一昔前、私はもこの速巻き以外では魚が釣れないと信じていたわけなのですが、色々なフィールドでたくさんのスタイルを見て勉強して、ようやく色々なしゃくり方が自分の物になってきたような気がします。
ハイスピードジャークのやり方は?至って簡単、持てる限りの力をこめてリールを巻き、ショートジャーク(ジャガジャガ巻き)で、より速くジグを巻き取る魚を食わせる方法です。
さてさてこのハイスピードジャークですが、本来青物はイワシなどのベイトフィッシュを群れで追いかけまわして追いこみ捕食するスタイルが定番です。この追いかけまわすスピードは我々人間の常識を超えるほどのスピードであり、青物はそのスピードを維持したままで捕食ができるすごい魚なのです。
そしてこの逃げ惑うベイトフィッシュを演出するのがこのハイスードジャークなのです。人間の持てる限りのスピードとリールのポテンシャルは現在時速30キロほどのリトリーブスピードを実現できます。
これでも青物のスピードではそれほど速くないスピードです。
餌を捕食しているナブラの中にこのスピードのジグを通せば当然食ってくるのですが、それ以外の場合には有効にならないのか、答えは否。餌を追いかけていない青物でも目の前をこのスピードの餌が通過すれば瞬間的に捕食しようというレベルまで活性があがり、猛ダッシュでジグを追いかけてきます。
ハイスピードジャークとは餌を食べる気のない中活性で待機中の青物の活性を追いかけさせる所まで引き上げることの出きる有効なメソッドなのです。
しかし、ハイスピードジャークには重大な欠点もあります。ショートジャークで速く巻きしゃくるとジグが小刻みに動き、捕食がしにくいため活性の上がった青物はハタキという行動にでます。ハタキとは体当たり等により餌を弱らせ捕食しやすいようにする行動で、ジグに対しこれをさせると当然口に掛からず、スレ掛かりとなり魚をバラす原因となります。活性を上げ集魚する効果のあるハイスピードジャークですが、これらスレ掛かりによるバラシで魚を散らせてしまう事となります。
これを防ぐにはただ1つ。ハイスピードジャークの後にリトリーブスピードの緩む減速区間を盛り込むことが最良の方法です。ジグの減速=瞬間的に弱ったベイトフィッシュが演出可能となり。ハタキ行動をせずに、口を使ってくれます。
速く巻くと魚を寄せるけどよくバレる。遅く巻くと集魚効果はないけど口にかかる。この2つを合わせることにより、より効果的に魚をバイトにつなげることができます。ハイスピードジャークからスピードを変化させバイトにつなげる!これがジギングの戦略ゲームとしての面白いところでも有ります。
持てる限りの力を使ってジグをしゃくることはもしかしたらこれがジギングの原点のスタイルなのかもしれませんね。
吉田匡克